ブラッキンダー
〜奇抜な絵と色鮮やかな色彩で描かれる、ワクワクと想像力の爆発〜
私個人の話ですが、紹介本の類で今まで目にしたことがなかった本作。
ぜひ沢山の方に読んでいただきたい傑作です。
犬のフンザ君がやっとおもちゃの船を完成し眠ると、その船に乗り込んで、ブラッキンダーが夜の冒険に出かけます。
フンザ君の机のインク壺から出てきた真っ黒なブラッキン。
鉢植えサボテンのキンダーちゃん。
二人合わせてブラッキンダー。
夜の空を飛び、夜の湖、砂漠…、最後はフンザ君の家の窓から机の上に着陸。
フンザ君が目覚めると、机の上におかしなえ?が描いてある。
夜の闇はどこまでも続いている。
でも、この本で描かれる夜は、暗く深く怖い闇ではありません。
まるで漆黒のキャンバスに浮かぶ色鮮やかなワクワクの好奇心と想像力の煌めき!
それは果てしなく広がり、爆発し、夜が明けフンザ君が目覚めた後も、確かにその軌跡を「おかしなえ?」として残します。
奇抜な絵とヴィヴィッドな色彩が、凄まじい推進力で夜の闇をキラキラと駆け巡る様は、大人や世の中の既成概念なんて飛び越えてどこまでも羽ばたけと、伝えているようです。
理屈でははかれない、想像力の源水を育ててくれるようなこういう本に、幼少期からぜひ親しんでおきたい!
そう思わせてくれる傑作です。
ブラッキンダー
作・絵:スズキコージ
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